KOKORASHI AIKOKORASHI AI

「AI使ってますか?」と聞かれる時代|お客様に見せる“AI利用方針”ページの作り方

取引先やお客様から「AIを使っていますか」と確認される場面が増えました。社内ルールとは別に、自社サイトに載せる“AI利用方針”ページの中身と書き方、置き場所を福岡の相談事例を交えて解説します。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「見積書の下書き、AIで作ってますか?って取引先に聞かれたんですよ」——先月、福岡市内のBtoB事業者さんから受けた相談です。慌てて否定してしまったけれど、本当は資料の下書きに使っている。次に聞かれたらどう答えればいいか分からない、と。私はKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)として福岡で中小事業者のAI導入をお手伝いしていますが、この「聞かれたときにどう答えるか」問題は、この半年で明らかに増えました。

結論から書きます。その場で口頭で答えるのをやめて、自社サイトに「AI利用方針」を1ページ作ってください。準備は半日で終わりますし、聞かれるたびに慌てる状態から抜けられます。おまけに、AI検索に自社のことを正しく答えてもらう上でも効きます。

社内ルールと対外方針は、別物です

まず整理させてください。多くの会社がまず作るのは「社内のAI利用ルール」です。顧客情報を入力してはいけない、無料版は業務利用しない、といった従業員に向けた禁止事項ですね。これはこれで必要です。

一方、今回お勧めするのはお客様・取引先に向けた開示文です。目的が違います。社内ルールは事故を防ぐため、対外方針は安心してもらうためにあります。だから中身も文体も変わります。社内ルールをそのまま公開すると、禁止事項だらけで「この会社、AIで何かやらかしそうだな」という妙な印象だけが残ります。実際にそうなっているサイトを何度か見ました。

AI利用方針ページに書く5項目

難しく考える必要はありません。次の5つを、それぞれ2〜4行で書けば十分です。長文の規約は誰も読みませんし、読ませる文書ではありません。

  • どこで使っているか:資料の下書き、文章の要約、問い合わせの一次回答、画像の背景作成など、実際の場面を具体的に書く
  • どこでは使わないか:最終的な見積金額の決定、契約内容の判断、医療・法律に関わる個別判断など。ここが一番読まれます
  • お客様の情報をどう扱うか:預かった資料や個人情報を外部のAIサービスに入力するのか/しないのか。条件付きなら条件を書く
  • 人がどこまで確認しているか:AIの出力をそのまま送っているのか、必ず担当者が目を通しているのか。中小事業者にとって、ここが最大の安心材料です
  • 質問・問い合わせ先:この方針について聞きたいときの連絡先。1行で足ります

もう一つ、余裕があれば「AIで生成した画像・文章の扱い」も足してください。実在しない人物写真は使わない、お客様の声は必ず実際にいただいた言葉を使う、といった宣言です。私は自分の事業でも、代表は実名と手描きのキャラクターで出すと決めています。小さな事業者ほど、顔と名前と正直さが資産だからです。

逆に、書かない方がいいこと

相談を受けていて多いのが「盛りすぎ」です。次の3つは避けてください。

  • 実態のない体制を書く:「専門チームが監査しています」といった記述。一人社長なら「代表がすべて確認しています」の方が、はるかに信用されます
  • 根拠のない数字:「精度99%」「作業時間70%削減」など、社内で測っていない数字は書かない。書くなら自社で実際に記録した数字だけにする
  • AIをまったく使っていないと言い切る:後から下書きに使っていたと分かる方がダメージが大きい。使っている場面を素直に書く方が、結果的に強い

どこに置き、どう見つけてもらうか

置き場所はフッターのプライバシーポリシーの隣が定番です。加えて、次の3か所からリンクしておくと実際に読まれます。

  • 会社概要ページの末尾
  • 問い合わせフォームの送信ボタン付近(「入力内容の扱いはこちら」)
  • AIチャットを設置しているなら、その最初のメッセージ内

AI検索対策(AEO)の観点でも、このページは効きます。ChatGPTやGoogleのAI検索が「この会社はAIをどう使っているのか」に答えようとしたとき、自社サイトに一次情報として書いてあれば、それが引用元になります。書いていなければ、AIは推測するか、答えられないと言うだけです。見出しを質問の形(「お客様の情報をAIに入力しますか?」など)にしておくと、さらに拾われやすくなります。

実際の相談から:士業とBtoBは特に効く

冒頭のBtoB事業者さんは、結局この5項目を半日で書き上げ、フッターに追加しました。その後、別の取引先から同じ質問を受けたとき、URLを1本送るだけで済んだそうです。「毎回どう説明するか悩む時間が消えた」というのが本人の感想でした。

特に効くのは士業事務所とBtoBの取引です。福岡の税理士事務所さんからも「顧問先の資料をAIに読ませていいのか、と聞かれる」という相談を受けます。この場合、方針ページに「お預かりした申告資料は外部の生成AIサービスに入力しません」と一行あるかどうかで、相手の反応がまったく違います。逆に言えば、書いていない会社は、聞かれるたびに信用を少しずつ削られている状態です。

半日で作る手順

最後に、実際の進め方をまとめます。会議は不要です。

  • いま社内でAIを使っている場面を、思いつく限り箇条書きにする(15分)
  • そのうち「お客様に言いにくいもの」に印をつけ、やめるか、条件をつけるか決める(30分)
  • 上の5項目に沿って、各2〜4行で書く(60分)
  • 社外の人に一度読んでもらい、専門用語を減らす(30分)
  • サイトに公開し、フッター・会社概要・問い合わせフォームからリンクする(60分)

大事なのは完璧さではなく、公開して、実態が変わったら直すことです。私も自分の方針は運用しながら何度も書き直しています。AIの使い方は半年で変わりますから、方針も生き物として扱ってください。

まとめ

  • AI利用方針は「社内ルール」とは別の、お客様・取引先に見せるための開示文
  • 書くのは5項目:使う場面/使わない場面/情報の扱い/人が確認する範囲/問い合わせ先
  • 盛らない。実態のない体制と、測っていない数字は書かない
  • フッター+会社概要+問い合わせフォームからリンクすると、信頼にもAI検索対策にも効く
  • 作業は半日。完璧を目指さず、実態が変わったら書き直す

よくある質問

Q. AI利用方針は、社内のAI利用ルールとは分けて作るべきですか?
はい、分けることをおすすめします。社内ルールは従業員向けの禁止事項が中心で、事故を防ぐことが目的です。一方、AI利用方針はお客様・取引先に安心してもらうための開示文で、使っている場面・使わない場面・情報の扱い・人が確認する範囲を伝えるものです。社内ルールをそのまま公開すると禁止事項ばかりが目立ち、かえって不安を与えてしまいます。

Q. 一人で事業をしています。それでもAI利用方針は必要ですか?
むしろ一人事業こそ効果があります。「代表がすべての出力を確認しています」と書けることは、体制の弱さではなく強みとして伝わるからです。逆に、実態のない監査体制や専門チームを書くと、後で確認されたときに信用を失います。5項目を各2〜4行、合計でA4一枚に収まる分量で十分です。

Q. AI利用方針ページは、AI検索対策(AEO)にも効果がありますか?
効果があります。ChatGPTやAI検索が「この会社はAIをどう使っているか」に答えようとするとき、自社サイトに一次情報として書かれていれば、それが引用元になります。書いていない場合、AIは推測するか答えられないだけです。見出しを「お客様の情報をAIに入力しますか?」のような質問形にしておくと、さらに引用されやすくなります。

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