問い合わせの多い質問トップ10をAIに任せる手順
福岡のAI導入支援・野村が、問い合わせの多い質問トップ10をAIに任せる具体手順を解説。質問の集め方からテスト・運用まで、相談例とともに紹介します。
野村 直矢
KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発
「同じ質問に一日中答えていて、本業が進まないんです」。先日、福岡市早良区で整骨院を営む方から、こんな相談を受けました。営業時間、駐車場、予約変更、保険の可否。電話とLINEで毎日くり返される質問に、スタッフの手が取られている。よく分かります。私自身、AI導入の相談で同じ質問を何度も受けます。
結論から言うと、問い合わせの大半は「上位10個」に集中しています。そこだけをAIに任せれば、現場はかなり軽くなります。全部を自動化する必要はありません。この記事では、私が福岡の事業者と一緒にやっている手順を、順番にお伝えします。
まず「全部AI化」を捨てる。狙うのは上位10個だけ
最初に大事な考え方を共有します。問い合わせ自動化でつまずく人の多くは、いきなり「何でも答えるAI」を作ろうとします。これは失敗のもとです。
博多区の飲食店オーナーから「お客さんのどんな質問にも答えるチャットボットがほしい」と言われたことがあります。私はこうお返ししました。「全部に答えさせると、外れた回答が増えてクレームになります。よく来る10個に絞りましょう」と。
実際、ほとんどの業種で問い合わせは驚くほど偏っています。来る質問の8割は、十数パターンの言い換えにすぎません。だからこそ、上位10個を正確に答えられるだけで、現場の負担は大きく下がります。私が最初に提案するのは、いつもこの「絞り込み」です。
- 狙いは「100点の全自動」ではなく「よくある質問の確実な代行」
- 残りの質問は無理に答えさせず、人につなぐ設計にする
- 欲張らないほうが、結果的に早く効果が出る
手順1:実際に来た質問を2週間分、そのまま集める
台本を作る前に、まず「本当に来ている質問」を集めます。ここを想像で埋めると、現場とズレた答えになります。
南区で美容室を営む方には、まずスマホのLINEトーク履歴と、電話メモを2週間分そのまま書き出してもらいました。「きれいに整理しなくていいので、お客さんの言葉のまま出してください」とお願いしています。
集める方法は事業者の環境に合わせます。難しく考える必要はありません。
- LINE公式アカウントのトーク履歴をさかのぼる
- 電話で聞かれた内容を、スタッフに数日メモしてもらう
- 予約サイトやInstagramのDMに来た質問も拾う
このとき、お客さんが使った実際の言葉を残すのが肝心です。「料金」より「いくらかかりますか」「カットだけだとおいくら」といった生の表現が、後でAIの精度を左右します。私はこの段階を一番丁寧にやります。
手順2:似た質問をまとめ、トップ10を確定する
集めた質問を眺めると、言い回しは違っても中身が同じものが大量にあると気づきます。これをグループにまとめていきます。
先ほどの美容室の例では、書き出した質問が60個ほどありました。それを一緒に分類すると、結局10グループに収まりました。「予約したい」「変更・キャンセル」「料金」「営業時間」「駐車場」「指名できるか」あたりが上位です。
まとめ方はシンプルで構いません。一覧を見ながら、件数の多い順に並べるだけです。ここで初めて「トップ10」が見えてきます。
- 同じ意味の質問は1グループにする(言い換えは気にしない)
- 多い順に並べ、上位10グループを採用する
- 11位以下は今回は触らず、人が対応する範囲に残す
この作業をAIに手伝わせることもできます。集めた質問をまとめて渡せば、分類の下書きはすぐ出ます。ただし最終判断は事業者本人です。現場の感覚を持っているのは、いつもオーナーさんだからです。
手順3:質問ごとに「正解の回答」を1つずつ用意する
トップ10が決まったら、それぞれに対する回答を文章で用意します。ここがAIの台本になります。AIは、ここに書いた内容をもとに答えるからです。
糸島市のカフェの相談では、「営業時間」の回答を作るときに意外と時間がかかりました。平日と土日で違い、不定休もある。口頭ではあいまいに答えていた部分が、文章にすると曖昧さが浮き彫りになります。
これはむしろ良いことです。回答を整える過程で、自店のルールがはっきりします。私が回答づくりで気をつけてもらうのは次の点です。
- 1つの質問に、迷いのない回答を1つだけ用意する
- 例外(不定休・繁忙期など)は回答の中に短く明記する
- 金額や日付など、変わりやすい情報は更新しやすく書いておく
- 「分からない場合はスタッフにおつなぎします」の一文を添える
この10個の回答集が、そのまま資産になります。スタッフ教育の資料にもなりますし、AIを別のツールに乗り換えても使い回せます。
手順4:AIに台本を渡し、言い回しのブレに対応させる
回答が揃ったら、いよいよAIに組み込みます。ここで効いてくるのが、手順1で残した「お客さんの生の言葉」です。
AIの強みは、表現のブレを吸収できることです。「何時まで?」「夜は開いてる?」「ラストオーダーいつ」——どれも営業時間の質問だと理解して、同じ回答へ案内できます。従来のキーワード一致型のボットが苦手だった部分です。
私はLINE Botとして組むことが多いです。福岡の事業者はLINEでお客さんとつながっているケースが圧倒的に多く、新しいアプリを入れてもらう必要がないからです。お客さんは、いつものLINEで質問するだけで答えが返ってきます。
ここで初めて、KOKORASHI AI(ココラシエーアイ)としての構築作業に入ります。台本さえできていれば、組み込み自体は時間がかかりません。費用は初期費用0円・月額4,800円(税込)からで、まず小さく始められるようにしています。
手順5:公開前に身内でテストし、外れ方を確認する
作ったらすぐ公開、はしません。必ずテスト期間を置きます。AIは、想定外の質問に対して「それっぽい嘘」を返すことがあるからです。
城南区の学習塾で導入したときは、公開前にスタッフ全員に、思いつく限りの質問を投げてもらいました。トップ10から外れた質問——「先生は何人いますか」など——を投げたとき、AIがどう振る舞うかを確認するためです。
狙いは「答えられない質問を、無理に答えさせない」ことです。テストで見るのはこの一点に尽きます。
- トップ10の質問に、台本どおり正しく答えるか
- 範囲外の質問で、勝手な作り話をしないか
- あいまいな質問に、人へつなぐ案内を出せるか
ここでズレが見つかれば、回答や案内文を直します。私はこのテストを、事業者と画面を一緒に見ながらやります。実際に触ってもらうと、安心して任せられるようになるからです。
手順6:「人につなぐ出口」を必ず残して運用する
最後に、運用で一番大事なことをお伝えします。AIに任せても、人につなぐ出口は必ず残します。これが、お客さんを取りこぼさないための保険です。
早良区の整骨院では、AIが答えられない質問が来たら、自動でスタッフのLINEに通知が飛ぶようにしました。お客さんには「担当者から折り返します」と表示されます。完全自動ではなく、AIが一次対応、人が仕上げ、という形です。
運用が始まったら、月に一度くらい、AIに来た質問を見直すことをおすすめします。新しく増えた質問があれば、トップ10を入れ替えていく。これで精度は育っていきます。
- 範囲外の質問は、人へ通知する仕組みを必ず入れる
- 月1回、来た質問を見て台本を更新する
- 反応が良ければ、対応する質問を11位以下へ少しずつ広げる
最初から完璧を目指さず、現場と一緒に育てる。これが、福岡の小さな事業者でも無理なく続けられるやり方だと、私は考えています。
まとめ
- 問い合わせは上位10個に集中している。全部ではなく、そこだけをAIに任せる
- まず2週間、実際に来た質問を生の言葉のまま集める
- 似た質問をまとめてトップ10を確定し、1問1答の回答を用意する
- AIに台本を渡せば、言い回しのブレを吸収して同じ回答へ案内できる
- 公開前のテストで「範囲外を無理に答えない」ことを確認する
- 人につなぐ出口を必ず残し、月1回の見直しで育てていく
- KOKORASHI AIでは初期費用0円・月額4,800円(税込)から、LINEで小さく始められる
よくある質問
Q. 問い合わせの質問を集めるのに、どのくらいの期間が必要ですか。
目安は2週間です。LINEのトーク履歴と電話メモを、お客さんの言葉のまま書き出してもらいます。整理は不要で、生の表現を残すことがAIの精度につながります。業種にもよりますが、これだけで上位10パターンはほぼ見えてきます。
Q. トップ10から外れた質問が来たら、どうなりますか。
無理に答えさせず、人につなぐ設計にします。AIが範囲外と判断したら、自動でスタッフのLINEへ通知が飛び、お客さんには折り返しの案内が出る形が多いです。AIが一次対応、人が仕上げ、という役割分担にすることで、取りこぼしと誤回答の両方を防げます。
Q. LINEを使っていないのですが、それでも導入できますか。
はい、可能です。福岡の事業者はLINEでお客さんとつながっているケースが多いのでLINE Botをよく提案しますが、予約サイトやWebサイト上のチャットなど環境に合わせて組めます。まずは今お客さんがどこから問い合わせているかを伺い、無理のない場所から始めます。
