KOKORASHI AIKOKORASHI AI

AIで作ったヘアモデル画像に著作権はある?日本初の訴訟から福岡の美容室が学ぶ画像の使い方

AI生成のヘアカットモデル画像を無断で広告に使われたとして、大阪の制作会社が美容室経営会社を提訴。AI画像の著作権が争われる注目の裁判を要約し、福岡の美容室・サロンが今日から見直す画像の使い方を解説します。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「ホットペッパーの掲載写真、AIで作ったモデル画像を使ってもいいですか?」。福岡市内の美容室オーナーさんから、最近いちばん多くいただく質問のひとつです。KOKORASHI AI(ココラシエーアイ)として美容室やサロンのAI活用を手伝っていると、撮影の手間を減らしたい気持ちはよく分かります。

結論からお伝えすると、AIで作った画像でも「他社の画像を元に作り直す」使い方は避けるべきです。2026年9月、AI生成のヘアカットモデル画像をめぐって、著作権の有無を正面から争う裁判が大阪地裁で始まったと報じられました。判決はまだ出ていませんが、サロン経営者が今のうちに押さえておきたい点をまとめます。

報道された訴訟の内容(事実の要約)

MBSニュースや産経新聞の報道を要約すると、訴訟の構図は次のとおりです。

  • 原告:大阪市のコンテンツ制作会社「Sai」。全国の美容室向けに、AIで生成したヘアカットモデル画像を制作・販売している会社です。
  • 販売価格:1点あたり1,100円から2万円超。独占的に使える権利の有無や、髪型など細部の作り込みで価格が変わると報じられています。
  • 被告:千葉県の美容室経営会社。
  • 原告の主張:被告が原告の画像を生成AIに入力し、元画像から新しい画像を作る「image-to-image」という手法で似た画像を作成。2025年12月から2026年5月にかけて、美容室の広告サイトに240点を無断で掲載したとして、掲載中止などを求めています。
  • 争点:原告は「生成AIは道具にすぎず、スタッフの思想や感情が創作的に表現されている」と主張。被告は「生成AIが出力した画像は人が作ったものではなく、著作権法の保護の要件を満たさない」と反論しています。

報道によれば、AI生成画像に著作権が認められるかについて国内にまだ判例がなく、司法がどのような判断を示すかが注目されています。

判決前でも福岡のサロンが気にするべき理由

私が今回のニュースを重く見ている理由は、争われている場面が美容室の日常業務そのものだからです。スタイル写真の掲載、予約サイトの更新、Instagramの投稿。美容室は毎週のように画像を扱っています。

天神のサロンさんから以前いただいた相談でも、「ネットで見つけた雰囲気の良い画像をAIに読み込ませて、似たテイストで作り直せば問題ない」と考えていたケースがありました。判決の結論にかかわらず、訴えられた時点で掲載の取り下げ・対応の時間・お客様への説明が発生します。小さなサロンにとっては、勝ち負け以前に負担が大きい話です。

もう1つの見方として、裁判の結論によって「AI画像は誰でも自由に使える」と「AI画像にも権利がある」のどちらの世界になるかが変わります。結論にかかわらず困らない使い方を、先に決めておくのが安全です。

やってはいけない画像の使い方

判決を待たずに、次の使い方は避けることをおすすめしています。

  • 他社・他店の画像をAIに入力して作り直す:今回の訴訟で問題にされている手法そのものです。「AIを通したから別物」という考え方は通用しない前提で考えます。
  • 購入したAI画像を、許諾の範囲を超えて使う:販売されている画像は、使える媒体や期間、独占かどうかが決まっていることが多いです。購入時の利用規約を保存しておきます。
  • 出どころが分からない画像を掲載する:スタッフが個人的に拾ってきた画像を、確認なしで予約サイトに載せる運用は止めます。

福岡のサロンが今日からできる3つの対策

難しい法律の話より、現場で回る運用に落とすことが大切です。私がサロンさんにお伝えしている手順は次の3つです。

  • 1. 画像の台帳を作る:掲載中の画像ごとに「自店で撮影」「購入(購入先・規約)」「自店でAI生成(使ったツール・指示文)」を1行ずつ記録します。スプレッドシートで十分です。
  • 2. AIで作るときは「自店の素材」か「言葉の指示」から作る:自店で撮ったスタイル写真や、髪型を文章で説明した指示文から生成する形にすれば、他社の画像に依存しません。
  • 3. 実物の写真を主役に戻す:お客様が本当に知りたいのは「予約しようとしているサロンで切るとどうなるか」です。AI画像はイメージ補助にとどめ、施術写真を中心にする方が予約にもつながりやすいと私は考えています。

AI画像との付き合い方は「禁止」ではなく「線引き」

誤解のないようにお伝えすると、AIで画像を作ること自体を否定するつもりはありません。メニュー表の挿絵、キャンペーン告知の背景、ブログのイメージ画像など、AI生成が役立つ場面はたくさんあります。

大切なのは、「何を元に作ったか」を説明できる状態にしておくことです。台帳があれば、万一問い合わせを受けたときにもすぐ答えられます。KOKORASHI AIでは、LINEのAI予約対応を入れるサロンさんと一緒に、掲載画像やメニュー情報の整理から進めることが多いです。

今後の見通し

今回の訴訟は提訴が報じられた段階で、判決の時期は分かっていません。結論が出れば、AIで画像を作る事業者と、AI画像を使う店舗の双方にとって目安になるはずです。私も続報が出た時点で、福岡のサロン目線で改めて解説します。

判決が出るまでの間は「他社の画像をAIに入れない」「出どころを記録する」の2点だけでも徹底してください。2点とも今日から始められて、費用もかかりません。

まとめ

  • AI生成のヘアカットモデル画像の著作権をめぐり、大阪地裁で訴訟が始まったと報じられた
  • 争点は「AI生成画像に著作権が認められるか」で、国内に判例はまだない
  • 他社の画像をAIに入力して作り直す使い方は、判決前でも避ける
  • 画像の台帳づくりと、自店素材からの生成を今日から始める

よくある質問

Q. AIで作った画像には著作権がないので自由に使えますか?
現時点で断言はできません。AI生成のヘアモデル画像の著作権が争われる訴訟が大阪地裁で始まったと報じられており、国内に判例がない状態です。自由に使える前提で運用するのは避け、購入画像は利用規約の範囲内で使ってください。

Q. 他店の写真をAIに読み込ませて似た画像を作るのは問題ありますか?
今回の訴訟で問題にされているのが、元画像をAIに入力して似た画像を作る手法です。判決の結論にかかわらずトラブルの原因になりやすいため、自店で撮影した写真や文章の指示から生成する形をおすすめします。

Q. サロンで最低限やっておくべき対策は何ですか?
掲載中の画像ごとに、自店撮影・購入・AI生成のどれかと、購入先やツール名を記録する台帳を作ることです。スプレッドシート1枚で始められ、問い合わせを受けたときにもすぐ説明できます。

無料メルマガ

福岡の中小事業者向け、AI活用のヒントを月数回お届け

今日のような記事の要点と、関心のあるテーマに合わせたおすすめ記事をメールでお送りします。

この業種でも、AIチャットは同じ考え方で作れます

業種ごとの相談例をもとに、小さく始められる形をご提案します。

LINEで無料相談