
ベテランの「頭の中」をAIで引き出して業務マニュアルにする方法|福岡の中小事業者向け
マニュアルが無い会社でも、ベテランへの30分の聞き取りとAIを組み合わせれば業務手順を文章化できます。福岡の中小事業者向けに手順と指示文の型、注意点を解説します。
詳しく見る →福岡の事業者向けに、ChatGPTへ業務マニュアルを読ませて社内の質問に自動回答させる方法を解説。GPTsの作り方、PDFの渡し方、社内定着のコツまで、実際の相談例をもとにKOKORASHI AIの野村が紹介します。
野村 直矢
KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発
「同じ質問が新人さんから何度も飛んできて、そのたびにベテランが手を止める。マニュアルはあるんですけど、誰も読まないんですよ」。先日、博多区の物流系の会社さんから受けた相談です。私もよく分かります。マニュアルは「置いてあるだけ」では機能しません。結論からお伝えすると、その紙のマニュアルをChatGPTに読ませてしまえば、社員が話し言葉で聞くだけで答えが返る「社内の問い合わせ係」が作れます。専門知識はいりません。この記事で、その作り方と福岡の現場での使われ方を、順を追ってお話しします。
私はKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)という、福岡でAI導入支援とLINE Bot開発をやっている事業の野村と申します。よく「ChatGPTって賢いけど、ウチの業務は知らないですよね?」と聞かれます。その通りで、ChatGPTは世間一般の知識は持っていますが、御社の就業規則も、レジ締めの手順も知りません。
そこで使うのが、自分のファイルを渡して「これを参考に答えてね」と指示する機能です。仕組みはとてもシンプルで、こういう流れになります。
天神のあるサロンさんでは、入社初日のスタッフが店長に聞きづらいことを、まずこのボットに聞いてから動くようになったそうです。「人に聞く前のワンクッション」ができるだけで、現場の空気はずいぶん変わります。
実際に多いのが、「マニュアルが10個のExcelとLINEのメモと先輩の頭の中に分散している」というケースです。早良区の介護施設さんがまさにこれで、最初の相談は「どこから手をつければ?」でした。
私がいつもお伝えするのは、完璧を目指さず、まず1本のファイルに寄せることです。AIに読ませる前の下準備として、こう進めます。
見出しを付けるのは地味ですが効きます。AIは見出しを手がかりに該当箇所を探すので、答えの精度がはっきり上がります。この整理作業そのものが、社内のルールを棚卸しする良い機会にもなります。介護施設さんは「整理してたら、もう使ってない手順が3つ出てきた」と笑っていました。
ファイルが用意できたら、いよいよ作ります。ChatGPTの有料版(月20ドルから)には「GPTs(ジーピーティーズ)」という、自分専用のAIを作れる機能があります。これを使うと、毎回ファイルを貼り付けなくても、開けばすぐ質問できる専用ボットになります。
作り方は画面の案内に沿って進めるだけですが、押さえるべきは2つです。
糸島市の製造業の事業者さんとは、この設定を一緒に画面共有しながら30分ほどで作りました。出来上がったボットに「設備の点検は誰がやる?」と聞くと、マニュアル通りに即答してくれて、社長さんが「これ、夜中でも答えてくれるんですよね?」と驚いていたのが印象的でした。24時間動くというのは、シフト勤務のある現場では地味に大きな価値です。
導入してしばらくすると、必ず出てくる相談があります。「マニュアルに載ってないことを、それっぽく嘘で答えてしまう」というものです。AIは親切すぎて、分からないことも推測で埋めようとする癖があります。
これは指示文で防げます。私が現場でお伝えしているのは、次の一文を必ず入れることです。
この一文を足すだけで、嘘の回答がぐっと減ります。中央区の士業事務所さんでは、この指示を入れる前は「あいまいな回答が怖くて使えない」という声でしたが、入れた後は「分からないものは分からないと言ってくれるから、逆に信頼できる」と評価が変わりました。AIに何でも答えさせようとしないことが、かえって安心して使える形につながります。
「無料のChatGPTでもできますか?」もよく聞かれます。ファイルを1回読ませて質問するだけなら無料版でもできますが、GPTsで専用ボットを作って社内に配るには有料版が必要です。月20ドルで業務の問い合わせ対応が回るなら、私は十分に元が取れる投資だと考えています。
もう一つ大事なのが、入れて良い情報の線引きです。相談でよくあるのが「顧客の個人情報や、外に出せない数字を入れて大丈夫?」という不安です。私がお伝えしている考え方はこうです。
南区の小売店さんとは、まず接客マニュアルと返品ルールだけで小さく始めました。いきなり全部を入れようとせず、効果が見える範囲から広げるのが、結局いちばん失敗しないやり方です。
いちばんもったいないのが、作っただけで誰も使わなくなるパターンです。これを防ぐコツは、どんな質問が来たかを定期的に見ることです。
ボットに来た質問を眺めると、現場の「つまずきポイント」が見えてきます。私が支援先にお願いしているのは、この回し方です。
博多区の物流会社さんは、この見直しを2回ほど回したところで「新人から同じ質問が来る回数が明らかに減った」と実感されていました。数字で管理したい場合は、導入前に「ベテランが質問対応に取られていた時間」をざっくり記録しておき、前後で比べると効果が見えやすくなります。マニュアルは一度作って終わりではなく、ボットと一緒に育てていくものだと考えてください。
「ウチのマニュアルでもできる?」と思われたら、整理の段階からご一緒できます。KOKORASHI AIでは初期費用0円・月額4,800円(税込)から、福岡の事業者さんに合わせた小さな導入をお手伝いしています。
Q. 無料版のChatGPTでも社内Q&Aボットは作れますか?
ファイルを1回読み込ませてその場で質問するだけなら無料版でも可能です。ただし、毎回ファイルを貼り直す手間なく社内に配れる『専用ボット(GPTs)』を作るには、月20ドルからの有料版が必要です。複数人で日常的に使うなら有料版をおすすめします。
Q. 顧客の個人情報や社外秘の数字を入れても大丈夫ですか?
最初は入れないことをおすすめします。まずは手順・ルール・FAQなど、外に漏れても致命的でない情報から始めるのが安全です。本格的に機密情報を扱いたい場合は、法人向けプランや社内に閉じた別の仕組みを検討する必要があるので、その際はご相談ください。
Q. マニュアルにない質問に、AIが嘘で答えてしまわないか心配です。
指示文に『マニュアルに記載がない場合は、推測せず担当者に確認するよう案内してください』という一文を入れることで、嘘の回答を大きく減らせます。AIに何でも答えさせようとせず、分からないものは分からないと言わせる設計が、安心して使うコツです。
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