
「新しいツールを入れない」から始めるAI|今あるツールの中のAI機能を使い倒す方法
AIは新しいツールを契約しなくても始められます。GmailやスプレッドシートなどすでにあるツールのAI機能から使い倒す方法を、福岡の中小事業者向けにやさしく解説します。
詳しく見る →エクセルやスプレッドシートの関数をAIに書かせる手順を、福岡の中小事業者向けに解説。表の形の伝え方、よくある依頼の型、数式が動かないときの直し方、AIに任せない判断まで実務目線でまとめました。
野村 直矢
KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発
福岡の中小事業者から受ける相談で意外に多いのが「毎月の集計が関数で止まる」という話です。売上を店舗別に足したい、重複した取引先を1つにまとめたい、日付から月だけ取り出したい。やりたいことは明確なのに、数式の書き方が分からず手作業で電卓を叩いてしまう。私がお伝えしているのは、関数を覚えるのではなく、AIに日本語で頼んで数式を書いてもらうという進め方です。無料のChatGPTでも十分に使えます。
生成AIには苦手なこともありますが、表計算の数式づくりは得意な部類に入ります。エクセルやGoogleスプレッドシートの関数は世界中で使われていて、書き方の型が決まっているためです。
博多の卸業を営む方からは「毎月の請求データを取引先ごとに集計するのに、丸一日かかっていた」という相談がありました。やっていた作業は、目視での並べ替えと電卓での合算です。AIに数式を書いてもらう形に変えたところ、同じ集計が数分で終わるようになりました。
大事なのは、AIに作業をやらせるのではなく、作業のやり方(数式)を書かせる点です。数式なら手元のファイルに貼るだけで済み、社外にデータを送る必要もありません。
うまくいかない相談を見ると、原因はほぼ同じで、表の形をAIに伝えていません。「売上を集計する数式を教えて」とだけ書くと、AIは想像で列を決めてしまい、手元の表では動かない数式が返ってきます。
私が使っている伝え方は次の通りです。
5点を書き添えるだけで、返ってくる数式の精度は大きく変わります。表の見出し行を数行そのままコピーして貼り付ける方法も有効です。
実際の進め方は単純です。
3ステップ目の検算を省く方が多いのですが、必ずやってください。AIは列を1つずらしたまま自信を持って答えることがあります。全件を確かめる必要はなく、金額の大きい行と、空欄がある行を数件だけ見れば十分です。
相談を受けた内容を並べると、依頼の型はだいたい決まっています。頼み方の例をそのまま書き写して使ってください。
あわせて「数式の意味も1行ずつ日本語で説明してください」と添えると、次から自分で微調整できるようになります。人に教わるより気兼ねなく何度でも聞ける点が、AIを使う一番の利点です。
貼った数式がエラーになったとき、多くの方は最初から質問を書き直そうとします。速いのは、エラー表示と、実際に貼った数式をそのままAIに送るやり方です。
「#N/A と出ました。貼った数式は次の通りです」と書いて続ければ、原因の候補と直した数式が返ってきます。半角と全角の混在、文字列として入っている数値、余分な空白といった原因は、人が目視で探すより早く見つかります。
エラー表示を送っても直らないときは、表の一部(個人情報を含まない数行)を貼って状況を見てもらうと解決が早まります。取引先名や個人名を含む場合は、AとBに置き換えてから貼ってください。
私が線引きしているのは、計算のやり方はAI、数字の意味づけは人という区切りです。「先月より売上が落ちた理由」「値上げすべきかどうか」といった判断は、現場の事情を知る人にしか下せません。
また、顧客名簿やマイナンバーを含む表を、そのままAIに貼り付けるのは避けてください。列の見出しと数行の見本だけで、数式は十分に書いてもらえます。社内で使うなら、貼ってよい情報と貼ってはいけない情報を1枚のルールにまとめておくと安心です。
KOKORASHI AI(ココラシエーアイ)では、関数の相談だけでなく、集計作業を毎月自動で回す仕組みづくりまで対応しています。まずは手元のエクセルで、今月の集計を1つAIに頼んでみるところから始めてみてください。
Q. 無料のChatGPTでもエクセルの関数は書いてもらえますか?
書いてもらえます。表計算の数式づくりは型が決まっているため、無料プランでも実用的な回答が返ってきます。使うソフト名、列の内容、データの範囲、やりたいこと、結果を入れる場所の5点を伝えると精度が上がります。
Q. エクセルとGoogleスプレッドシートで頼み方は変わりますか?
やりたいことの伝え方は同じですが、使える関数が一部違うため、使うソフト名を必ず最初に書いてください。ソフト名を書かずに頼むと、片方でしか動かない数式が返ってくることがあります。
Q. 顧客名簿の入った表をAIに貼っても大丈夫ですか?
避けてください。数式を作るのに実データは不要で、列の見出しと、個人情報を含まない数行の見本があれば十分です。社内で使う場合は、貼ってよい情報と貼ってはいけない情報を1枚のルールにまとめておくことをおすすめします。
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