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福岡の農業・一次産業がAIで受発注と出荷連絡をラクにする方法|電話とLINEの往復を減らす5手順

福岡の農家・漁業者・直売所向けに、受発注と出荷連絡をAIでラクにする手順を5段階で解説。電話とLINEの往復、手書き伝票の転記を減らし、収穫と加工に時間を戻す進め方をまとめました。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「収穫が終わってから、夜に電話とLINEの返信をしています」。糸島や八女の生産者さんとお話しすると、ほぼ必ず出てくる話です。日中は畑や現場に出ていて、事務作業は全部あと回し。返信が遅れて注文を逃した経験も、たいてい一度や二度ではありません。

福岡でAI導入支援をしているKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)の野村直矢です。農業や漁業といった一次産業は、AI導入の話題からいちばん遠い業種に見られがちです。ただ実際に現場を伺うと、AIが効く余地がむしろ大きいと感じます。理由は単純で、同じ質問への返信と、紙から画面への転記が、毎日大量に発生しているからです。今日は、福岡の生産者さん・直売所さん向けに、無理なく進められる5つの手順をまとめます。

結論|最初に減らすのは「同じ問い合わせ」と「転記」

先に結論をお伝えします。一次産業でAIを入れるとき、収穫量の予測や病害の判定から始める必要はありません。設備投資も専門知識も必要で、費用対効果が見えるまでに時間がかかります。

私がおすすめしているのは、次の2つから始める進め方です。

  • 同じ問い合わせへの一次対応:「今なにが採れますか」「送料はいくらですか」「明日は直売所やってますか」への返信。
  • 手書き・口頭の情報を文字に起こす作業:注文メモ、出荷伝票、日報の転記。

2つは毎日発生し、担当者の時間を確実に削っています。効果が出たかどうかも、返信にかけた時間や転記の件数で測れます。小さく始めて、効果が見えたら広げる。順番を守るだけで失敗がぐっと減ります。

福岡の一次産業でよく聞く困りごと

実際にご相談で伺う内容を挙げます。心当たりがあれば、AIで手が届く範囲だと考えてください。

  • 飲食店さんからの注文が、電話・LINE・FAX・メールにばらけていて、集計に毎朝30分以上かかっている。
  • 「あまおうは今週ありますか」「八女茶の新茶はいつからですか」といった時期の質問が、シーズン前に集中する。
  • 直売所の営業日や在庫を聞く電話が、作業中に鳴り続ける。
  • 出荷後の「まだ届きませんか」への対応で、伝票を探す時間が積み重なる。
  • ふるさと納税や産直サイト経由の問い合わせが増え、対応者が家族の中の1人に集中している。

共通しているのは、判断が難しい仕事ではなく、量が多い仕事に時間を取られている点です。判断の要らない仕事こそ、AIの得意分野です。

手順1|問い合わせを3種類に仕分ける

最初にやるのは、道具選びではなく仕分けです。直近1か月の問い合わせを思い出して、3つに分けてください。私はいつも、紙に3列書いてもらいます。

  • 答えが決まっている質問:営業日、送料、支払い方法、配送までの日数、注文の最低数量。
  • 今の状況を見れば答えられる質問:今週の入荷品目、在庫の有無、出荷済みかどうか。
  • 人が判断する質問:数量の相談、価格の交渉、品質のクレーム、新規取引の可否。

AIに任せるのは、1つ目と2つ目までです。3つ目は必ず人に回します。仕分けをせずにAIを入れると、答えてはいけない質問にAIが答えてしまい、信用を落とします。私が最初の打ち合わせでいちばん時間をかけるのも、仕分けの作業です。

手順2|「今どうなっているか」を1か所に置く

2つ目の質問群にAIが答えるには、答えのもとになる情報が1か所に必要です。頭の中や手帳の中にある状態では、AIは読めません。

情報の集約でも、無理をしないことが大事です。専用のシステムを入れる必要はありません。私が福岡の生産者さんとよく使うのは、無料のスプレッドシート1枚です。

  • 1行目に品目、2行目以降に「今週の出荷可否」「単位」「価格」「備考」を並べる。
  • 更新は、朝の出荷準備のときに1回だけ。
  • スマホからも開けるようにして、家族の誰でも直せる状態にする。

八女の生産者さんとは、シートの更新を「軽トラに乗る前の1分」と決めました。決まった動作にひもづけると続きます。時間だけ決めても続きません。

手順3|注文の入口を1本に寄せる

電話・LINE・FAX・メールに散らばった注文をそのまま集計するのは、AIを使っても大変です。入口を減らすほうが先です。

私がおすすめするのは、LINE公式アカウントに注文フォームを置く方法です。理由は、取引先の飲食店さんも生産者さんも、すでにLINEを毎日使っているからです。新しいアプリを覚えてもらう必要がありません。

  • LINEのメニューに「注文する」ボタンを置き、フォームへ誘導する。
  • フォームの項目は、店名・品目・数量・希望納品日・連絡先の5つに絞る。
  • 送信された内容は、自動でスプレッドシートに一覧で溜まる。

電話を完全になくす必要はありません。急ぎは電話、通常はフォームと伝えるだけで、多くの取引先はフォームに移ってくれます。フォームに寄った分だけ、朝の集計が消えます。

手順4|AIに一次対応の範囲を決めて任せる

仕分けと情報の置き場所ができたら、ようやくAIチャットの出番です。手順1で分けた1つ目と2つ目の質問に、LINE上で自動で答える形を作ります。

設定のときに必ず決めていただくのは、次の3点です。

  • 答えない範囲を明記する。価格交渉、クレーム、新規取引の可否は「担当者からご連絡します」と返して人に回す。
  • 分からないときは正直に止める。推測で答えさせない設定にします。生成AIは、知らないことをもっともらしく答える性質があるため、範囲の指定が命綱になります。
  • 人に切り替える導線を必ず置く。「担当者と話す」ボタンを常に出しておきます。

私が福岡の事業者さんにいつもお伝えするのは、AIチャットの目的は全部を自動化することではなく、人が対応すべき相手に時間を残すことだという点です。営業日を聞く電話が減れば、減った分だけ大口の相談にきちんと向き合えます。

手順5|繁忙期の前に、小さく試して数字を記録する

一次産業には、はっきりした繁忙期があります。あまおうの最盛期、新茶の時期、お中元とお歳暮の前。繁忙期のまっただ中に新しい仕組みを入れると、必ず失敗します。現場に余裕がないからです。

おすすめは、繁忙期の1〜2か月前に始めることです。あわせて、始める前の状態を記録してください。

  • 1週間に届く問い合わせの件数を数える。
  • 返信にかけている時間を、ざっくりでよいので記録する。
  • 朝の集計にかかる時間を測る。

導入後に同じ項目を測れば、効果を数字で言えるようになります。「なんとなくラクになった」では、続けるかどうかの判断ができません。私が導入前の記録をお願いするのは、やめる判断も含めて、根拠を持って決められるようにするためです。

やってはいけない3つのこと

相談を受けてきた中で、失敗につながりやすいパターンを挙げます。

  • 最初から全部の質問に答えさせようとする。回答の範囲が広いほど、間違いが増えて信用を落とします。よくある質問の上位10件から始めてください。
  • 更新する人を決めないまま公開する。在庫や営業日の情報が古いままだと、AIは古い答えを返し続けます。更新の担当と頻度を、公開前に決めます。
  • 取引先に何も伝えずに切り替える。長い付き合いの相手ほど、急な変更に戸惑います。「返信を早くするために自動応答を入れました。急ぎは今まで通りお電話ください」と一言添えるだけで、受け止められ方が変わります。

補助金や相談窓口も先に確認する

費用面が気になる場合、いきなり自費で大きく始める必要はありません。福岡には、AIや省力化の相談を無料で受けられる公的な窓口があります。商工会や商工会議所、よろず支援拠点の生産性向上支援センターなどです。

補助金は年度ごとに要件と締切が変わるため、記事の数字を鵜呑みにせず、必ず公募要領の原本を確認してください。私がお伝えしているのは、補助金ありきで計画を決めないという考え方です。補助金が通らなくても続けられる規模で始めて、通ったら広げる。順番を守れば、採択に振り回されずに済みます。

まとめ

  • 一次産業でAIが最初に効くのは、収穫予測ではなく「同じ問い合わせへの返信」と「転記」。
  • 問い合わせを3種類に仕分け、答えが決まっている質問と状況を見れば答えられる質問までをAIに任せる。
  • 在庫や営業日はスプレッドシート1枚に集約し、更新は決まった動作にひもづけて習慣化する。
  • 注文の入口をLINEのフォームに寄せると、朝の集計が消える。急ぎは電話のままでよい。
  • 繁忙期の1〜2か月前に始め、導入前の件数と時間を記録しておく。

KOKORASHI AIでは、福岡の生産者さん・直売所さん向けに、LINEでの受注とAIによる一次対応の仕組みづくりを、初期費用0円・月額4,800円(税込)からお手伝いしています。「うちの規模で意味があるのか」という段階のご相談がいちばん多いので、迷っている状態のままお声がけください。

よくある質問

Q. 農家や漁業者がAIを導入するのは、規模的に無理がありませんか?
無理はありません。始めるのは収穫予測のような大がかりな仕組みではなく、営業日や送料といったよくある質問への自動応答と、注文フォームによる集計の自動化です。無料のスプレッドシートとLINE公式アカウントがあれば、家族経営の規模でも始められます。

Q. 注文の受付を電話からフォームに変えると、取引先に嫌がられませんか?
電話を完全になくす必要はありません。「急ぎは電話、通常はフォーム」と伝える形をおすすめしています。切り替えの際に、返信を早くするための仕組みだと一言添えるだけで、多くの取引先はフォームを使ってくれます。

Q. AIが間違った在庫状況を答えてしまう心配はありませんか?
答えのもとになる情報を1か所に集約し、更新の担当者と頻度を公開前に決めることで防げます。あわせて、分からないときは推測で答えず担当者につなぐ設定にし、価格交渉やクレームなど人が判断すべき質問はAIに答えさせない範囲として明記してください。

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