KOKORASHI AIKOKORASHI AI

商談前の「下ごしらえ」をAIで軽くする手順|福岡の中小事業者のための営業準備の型

商談前のリサーチ・想定質問づくり・商談後のお礼メールをAIで軽くする具体的な手順を、福岡の中小事業者向けにまとめました。入れてはいけない情報と事実確認のルールも解説します。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「商談の前準備に毎回1時間くらい取られるんです。相手の会社を調べて、資料を用意して、聞かれそうなことを考えて……」。福岡でBtoBの機材販売をされている方から、こんな相談を受けました。訪問件数を増やしたいのに、増やすほど準備が追いつかない、という悩みです。

私はKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)という屋号で、福岡の中小事業者向けにAI導入の支援をしています。結論から言うと、営業準備でAIに任せていいのは「調べる」と「書く」の部分だけです。何を提案するかを決める部分は人が持ったまま、下ごしらえだけ渡す。この線引きができている会社は、うまく回っています。

営業準備は3つに分けると、任せどころが見える

まず整理します。商談前後の作業は、だいたい次の3つに分かれます。

  • 調べる:相手企業のサイトを読む、業種の動向を把握する、過去のやり取りを思い出す
  • 考える:何を提案するか決める、価格をどうするか判断する、誰に何を聞くか組み立てる
  • 書く:資料をまとめる、想定質問を書き出す、お礼メールを送る、社内に共有する

このうち「考える」だけは人が持ってください。ここを渡すと、どの会社にも同じ提案をする営業になります。逆に「調べる」と「書く」は、AIに任せてもあなたの営業が薄くなることはありません。私がいつもお伝えしているのは、この2つに絞れば失敗しない、ということです。

訪問前リサーチをAIに任せる手順

手順はシンプルです。相手企業の公開情報をAIに読ませて、要点だけ抜き出させます。

  • 1.相手企業のサイト(会社概要・事業内容・お知らせ)から本文をコピーする
  • 2.AIに貼り付け、「この会社の事業内容・強み・最近の動きを、それぞれ3行で要約してください」と指示する
  • 3.続けて「当社が◯◯(自社のサービス)を提案する場合、この会社の状況から見た接点を3つ挙げてください」と聞く
  • 4.出てきた接点のうち、自分の実感に合うものだけ残す

ここで絶対に守ってほしいのが、AIが出した会社情報をそのまま信じないことです。生成AIは、知らないことをもっともらしく書きます。「創業◯年」「従業員◯名」といった数字をAIに書かせて、それを商談で口にしてしまうのが最悪のパターンです。数字と固有名詞は、必ず自分が読んだ元のページで確認してください。

コツは、AIに調べさせるのではなく、自分が集めた文章をAIに整理させることです。この順番なら、事実が壊れません。

いちばん効くのは「想定質問リスト」

私が福岡の事業者さんに勧めていて、実際にいちばん喜ばれるのがこれです。手順は1つだけ。

自社のサービス説明を貼り付けて、「あなたは慎重な中小企業の社長です。この提案を受けたとき、契約前に確認したいことを10個、厳しめに質問してください」と指示します。

出てくる質問は、驚くほど現場と重なります。「他社と比べて何が違うのか」「途中でやめられるのか」「担当が変わったらどうなるのか」。この10個に自分の言葉で答えを用意しておくだけで、商談中に詰まる場面が減ります。

さらに一歩進めるなら、業種を指定してください。「あなたは福岡で建設業を営む社長です」と条件を足すと、質問の中身が変わります。前提が違えば聞かれることも違う——これは人の営業でも同じですが、AIを使うとその違いを事前に何パターンも試せるのが利点です。

商談後こそAIの出番(記憶が新しいうちに)

準備よりも取りこぼしが多いのが、商談のあとです。訪問から戻って、次の予定に追われ、お礼メールが翌日以降になる——福岡の中小事業者では、社長自身が営業をしているケースが多く、これが起きやすい構造です。

おすすめは、商談後30分以内に、箇条書きのメモだけを残すやり方です。移動中でも構いません。

  • 1.スマホの音声入力で、話した内容・相手の反応・宿題になったことを箇条書きで打つ(誤字は放置でOK)
  • 2.そのメモをAIに渡し、「お礼メールの下書き」「社内共有用の要点3行」「次にやること一覧」の3つを作らせる
  • 3.お礼メールに1文だけ、商談中の具体的なやり取りを人が書き足して送信する

3番目が肝心です。AIの文章はきれいですが、そのままだと誰に送っても成立する文面になります。「先ほどお話に出た◯◯の件、社内で確認しました」の一文があるだけで、受け取り方がまったく変わります。

入れてはいけない情報と、決めておくルール

営業でAIを使うときに、必ず先に決めておいてほしいことがあります。

  • 他社の見積書や契約書を、そのままAIに貼らない。相手から預かった資料には守秘の前提があります。使うなら、金額や社名を伏せて要点だけにします。
  • 個人情報を含んだままにしない。担当者の氏名・携帯番号・メールアドレスは伏せてから渡します。
  • 自社の未公開の価格戦略を安易に入力しない。使うツールの設定(入力内容を学習に使わない設定になっているか)を確認したうえで判断してください。
  • AIが出した数字・実績・事例は、そのまま商談で使わない。自社の実績は自社の記録から引く。これが鉄則です。

この4つをA4一枚にまとめて営業担当に配っておけば、大きな事故はほぼ防げます。ルールが無い状態でツールだけ配るのが、いちばん危ない進め方です。

「型」を1度作れば、次からは貼るだけ

毎回ゼロから指示を書いていると続きません。ChatGPTのプロジェクト機能などに、次の内容を自社専用の設定として一度だけ登録しておいてください。

  • 自社の事業内容・サービス内容・料金の考え方
  • よくある反論と、それに対する自社の答え
  • 使ってはいけない表現(誇大な効果、他社批判など)
  • お礼メールの文体(署名・敬語の温度感・文字数の目安)

登録しておくと、次からは相手企業の情報を貼るだけで、リサーチ要約・想定質問・メール下書きが出てきます。準備が長続きしない原因は、たいていやる気ではなく段取りの重さです。

効果は「訪問件数」ではなく、準備の質で見る

最後に、測り方の話をします。「AIを入れたら訪問件数は増えますか」と聞かれることがありますが、私は件数だけで判断しないでほしいとお伝えしています。件数は移動時間や相手の都合にも左右されるからです。

代わりに、自分で数えられる次の3つを見てください。

  • お礼メールを当日中に送れた割合。ここが上がるだけで、次の連絡がしやすくなります。
  • 商談中に「持ち帰って確認します」と答えた回数。想定質問の準備ができていれば、この回数は自然に減ります。
  • 準備にかかった時間。1件あたり何分だったかを2週間だけ記録してみてください。型ができているかどうかが、はっきり見えます。

数字を先に決めるより、2週間だけ記録して、変化を自分の目で見るほうが確実です。効果が見えれば続きますし、見えなければ手順のどこかに無理があるということです。

まとめ

  • 営業準備は「調べる・考える・書く」に分解する。AIに任せるのは調べると書くだけ。考えるは人が持つ。
  • 訪問前リサーチは、AIに調べさせるのではなく、自分が集めた文章を整理させる。数字と固有名詞は必ず元のページで確認する。
  • いちばん効くのは想定質問リスト。「厳しめの社長」役をAIに演じさせて10個出させる。
  • 商談後30分以内に箇条書きメモ。そこからお礼メール・社内共有・次アクションをAIに展開させ、具体的な一文だけ人が足す。
  • 他社資料・個人情報の扱いルールを先にA4一枚で決めてから配る。

KOKORASHI AIでは、こうした営業まわりの「型づくり」から、問い合わせ対応のAIチャット構築までご相談を受けています。初期費用0円・月額4,800円(税込)からです。「準備に時間を取られて、訪問が増やせない」という段階からで構いませんので、一度お聞かせください。

よくある質問

Q. 商談相手の会社について、AIに直接調べさせてもいいですか?
おすすめしません。生成AIは知らないことをもっともらしく書くため、創業年や従業員数などの数字が誤っていることがあります。自分で相手企業のサイトから本文をコピーし、それをAIに要約させる順番にしてください。事実は自分が読んだページで確認するのが鉄則です。

Q. 営業でAIを使うとき、入力してはいけない情報は何ですか?
相手から預かった見積書や契約書、担当者の氏名・連絡先などの個人情報、自社の未公開の価格戦略です。使う場合は社名や金額を伏せて要点だけにしてください。あわせて、利用するツールが入力内容を学習に使わない設定になっているかを確認しておきます。

Q. 営業準備でAIを使う効果は、どう測ればいいですか?
訪問件数ではなく、お礼メールを当日中に送れた割合、商談中に「持ち帰って確認します」と答えた回数、1件あたりの準備時間の3つで見てください。2週間だけ記録すると、型ができているかどうかがはっきり分かります。

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