
「AIの利用料が上がってきた」いま福岡の中小事業者がやるべきは“モデルの使い分け”
高性能AIの利用コストが上昇し、企業が用途に応じて安いモデルへ処理を振り分ける動きが広がっています。福岡の中小事業者がムダなく使うための「モデルの使い分け」の考え方を、AI導入支援の当事者としてやさしく解説します。
詳しく見る →商談前のリサーチ・想定質問づくり・商談後のお礼メールをAIで軽くする具体的な手順を、福岡の中小事業者向けにまとめました。入れてはいけない情報と事実確認のルールも解説します。
野村 直矢
KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発
「商談の前準備に毎回1時間くらい取られるんです。相手の会社を調べて、資料を用意して、聞かれそうなことを考えて……」。福岡でBtoBの機材販売をされている方から、こんな相談を受けました。訪問件数を増やしたいのに、増やすほど準備が追いつかない、という悩みです。
私はKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)という屋号で、福岡の中小事業者向けにAI導入の支援をしています。結論から言うと、営業準備でAIに任せていいのは「調べる」と「書く」の部分だけです。何を提案するかを決める部分は人が持ったまま、下ごしらえだけ渡す。この線引きができている会社は、うまく回っています。
まず整理します。商談前後の作業は、だいたい次の3つに分かれます。
このうち「考える」だけは人が持ってください。ここを渡すと、どの会社にも同じ提案をする営業になります。逆に「調べる」と「書く」は、AIに任せてもあなたの営業が薄くなることはありません。私がいつもお伝えしているのは、この2つに絞れば失敗しない、ということです。
手順はシンプルです。相手企業の公開情報をAIに読ませて、要点だけ抜き出させます。
ここで絶対に守ってほしいのが、AIが出した会社情報をそのまま信じないことです。生成AIは、知らないことをもっともらしく書きます。「創業◯年」「従業員◯名」といった数字をAIに書かせて、それを商談で口にしてしまうのが最悪のパターンです。数字と固有名詞は、必ず自分が読んだ元のページで確認してください。
コツは、AIに調べさせるのではなく、自分が集めた文章をAIに整理させることです。この順番なら、事実が壊れません。
私が福岡の事業者さんに勧めていて、実際にいちばん喜ばれるのがこれです。手順は1つだけ。
自社のサービス説明を貼り付けて、「あなたは慎重な中小企業の社長です。この提案を受けたとき、契約前に確認したいことを10個、厳しめに質問してください」と指示します。
出てくる質問は、驚くほど現場と重なります。「他社と比べて何が違うのか」「途中でやめられるのか」「担当が変わったらどうなるのか」。この10個に自分の言葉で答えを用意しておくだけで、商談中に詰まる場面が減ります。
さらに一歩進めるなら、業種を指定してください。「あなたは福岡で建設業を営む社長です」と条件を足すと、質問の中身が変わります。前提が違えば聞かれることも違う——これは人の営業でも同じですが、AIを使うとその違いを事前に何パターンも試せるのが利点です。
準備よりも取りこぼしが多いのが、商談のあとです。訪問から戻って、次の予定に追われ、お礼メールが翌日以降になる——福岡の中小事業者では、社長自身が営業をしているケースが多く、これが起きやすい構造です。
おすすめは、商談後30分以内に、箇条書きのメモだけを残すやり方です。移動中でも構いません。
3番目が肝心です。AIの文章はきれいですが、そのままだと誰に送っても成立する文面になります。「先ほどお話に出た◯◯の件、社内で確認しました」の一文があるだけで、受け取り方がまったく変わります。
営業でAIを使うときに、必ず先に決めておいてほしいことがあります。
この4つをA4一枚にまとめて営業担当に配っておけば、大きな事故はほぼ防げます。ルールが無い状態でツールだけ配るのが、いちばん危ない進め方です。
毎回ゼロから指示を書いていると続きません。ChatGPTのプロジェクト機能などに、次の内容を自社専用の設定として一度だけ登録しておいてください。
登録しておくと、次からは相手企業の情報を貼るだけで、リサーチ要約・想定質問・メール下書きが出てきます。準備が長続きしない原因は、たいていやる気ではなく段取りの重さです。
最後に、測り方の話をします。「AIを入れたら訪問件数は増えますか」と聞かれることがありますが、私は件数だけで判断しないでほしいとお伝えしています。件数は移動時間や相手の都合にも左右されるからです。
代わりに、自分で数えられる次の3つを見てください。
数字を先に決めるより、2週間だけ記録して、変化を自分の目で見るほうが確実です。効果が見えれば続きますし、見えなければ手順のどこかに無理があるということです。
KOKORASHI AIでは、こうした営業まわりの「型づくり」から、問い合わせ対応のAIチャット構築までご相談を受けています。初期費用0円・月額4,800円(税込)からです。「準備に時間を取られて、訪問が増やせない」という段階からで構いませんので、一度お聞かせください。
Q. 商談相手の会社について、AIに直接調べさせてもいいですか?
おすすめしません。生成AIは知らないことをもっともらしく書くため、創業年や従業員数などの数字が誤っていることがあります。自分で相手企業のサイトから本文をコピーし、それをAIに要約させる順番にしてください。事実は自分が読んだページで確認するのが鉄則です。
Q. 営業でAIを使うとき、入力してはいけない情報は何ですか?
相手から預かった見積書や契約書、担当者の氏名・連絡先などの個人情報、自社の未公開の価格戦略です。使う場合は社名や金額を伏せて要点だけにしてください。あわせて、利用するツールが入力内容を学習に使わない設定になっているかを確認しておきます。
Q. 営業準備でAIを使う効果は、どう測ればいいですか?
訪問件数ではなく、お礼メールを当日中に送れた割合、商談中に「持ち帰って確認します」と答えた回数、1件あたりの準備時間の3つで見てください。2週間だけ記録すると、型ができているかどうかがはっきり分かります。
この記事を読んだ方におすすめ
記事一覧を見る →
高性能AIの利用コストが上昇し、企業が用途に応じて安いモデルへ処理を振り分ける動きが広がっています。福岡の中小事業者がムダなく使うための「モデルの使い分け」の考え方を、AI導入支援の当事者としてやさしく解説します。
詳しく見る →
英国AI安全機関が2026年8月4日、評価中にAIエージェントが実在の相手へ無許可の行動を取ったと報告しました。福岡の中小事業者がAIに実行権限を渡すときの線引きと承認ゲートの作り方を解説します。
詳しく見る →
OpenAIが2026年8月4日にChatGPT WorkとCodex向けの教育プラグイン3種を公開。役割ごとにAIをパッケージ化する設計思想を、福岡の中小企業の新人研修・OJTに転用する方法を解説します。
詳しく見る →無料メルマガ
今日のような記事の要点と、関心のあるテーマに合わせたおすすめ記事をメールでお送りします。