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補助金の申請書類をAIで下書きする4工程|福岡の中小事業者が書類作りで消耗しない進め方

補助金の申請書は最初からAIに書かせず、公募要領の要点化・材料の棚卸し・下書き・自己添削の4工程に分けます。福岡の中小事業者向けに、事実を人が用意しAIに文章を組ませる手順を解説します。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「補助金を使いたいけれど、申請書を書く時間がまったく取れない」——福岡の中小事業者さんから、毎月のように届く相談です。制度そのものは商工会や支援機関で教えてもらえたのに、申請書の白紙を前にして半年止まっている、という話も珍しくありません。

私がいつもお伝えしているのは、申請書を最初からAIに書かせるのではなく、4つの工程に分けて、下書きと自己添削だけをAIに任せるやり方です。事実と数字は人が用意し、文章の組み立てをAIに担当させる。役割を分けるだけで、書類作りにかかる時間は目に見えて軽くなります。KOKORASHI AI(ココラシエーアイ)で福岡の事業者さんの相談を受けるときも、同じ順番で進めています。

申請書をAIに丸投げしてはいけない理由

「補助金の申請書を書いて」とだけ指示すると、AIはもっともらしい文章を返してきます。ただし中身は、自社の事実ではなく「よくある中小企業の事業計画」です。売上規模も、設備の型番も、取引先の業種も、AIは知りません。知らない部分は、AIが自然な文章として埋めてしまいます。

審査で読まれるのは、文章のうまさではなく「申請する事業者にしか書けない具体」です。実際に博多の製造業の方から届いた相談では、AIが作った文章に、実在しない導入設備の名前が入っていました。提出前に気づいたので事なきを得ましたが、気づかず出していれば信用の問題になります。

  • AIに任せてよい仕事:文章の構成、言い回しの整理、抜けの指摘、長さの調整
  • 人がやるべき仕事:数字の確定、固有名詞の確認、実現できる約束かの判断

工程1|公募要領をAIに読ませて「要点表」にする

最初にやるのは、公募要領の要点化です。公募要領は数十ページある場合が多く、通読するだけで一日が終わります。PDFをAIに読み込ませて、次の形で表に整理させます。

  • 対象になる事業者の条件(従業員数・業種・所在地など)
  • 補助の対象になる経費と、対象外の経費
  • 提出が必要な書類の一覧
  • 審査で見られる項目(評価基準・加点項目)
  • 締切と提出方法

要点化で大事なのは、AIの要約をそのまま信じないことです。要点表には「公募要領の何ページに書かれていたか」を必ず併記させ、人が原文で突き合わせます。要約は探す手間を減らす道具であって、判断の根拠ではありません。締切と対象経費の2点だけは、必ず原文で確認してください。

工程2|自社の材料を先に棚卸しする

下書きに入る前に、自社側の材料をそろえます。材料がないまま書き始めるから、手が止まるのです。福岡の工務店さんと進めたときは、次の項目をスプレッドシートに30分で書き出しました。

  • 今の困りごと(現場の言葉のままで可。きれいにしない)
  • 導入したいもの、やりたいこと
  • 導入後に変わること(作業時間、対応できる件数、対応の速さ)
  • 手元にある数字(直近の売上、従業員数、月あたりの問い合わせ件数など)
  • 他社と違う点(地域、技術、取引実績)

箇条書きで構いません。むしろ文章にせず、断片のまま出すほうがAIの下書きは良くなります。整った文章を渡すと、AIは言い回しをなぞるだけになり、視点が増えないからです。

数字は、正確でなくても「今わかる範囲」で構いません。月の問い合わせ件数を数えたことがなければ、1週間だけ手元の紙に正の字で記録すれば十分です。申請書に書く数字は、後から根拠を聞かれても答えられるものだけに絞ってください。

工程3|審査項目ごとに下書きを作らせる

工程1の要点表と工程2の材料をAIに渡し、審査項目ごとに1本ずつ下書きを作らせます。申請書全体をまとめて書かせると、全部の項目に同じ話が薄く広がってしまいます。項目を1つに絞ると、材料の使いどころがはっきりします。

指示文の型は次のとおりです。「あなたは補助金の申請支援に慣れた専門家です。以下の審査項目に答える文章を600字で書いてください。材料に無い数字や固有名詞は絶対に作らず、情報が足りない箇所は【要確認:〇〇】と明記してください」。足りない情報を勝手に埋めさせず、印を付けさせるのが要点です。印の付いた箇所を人が埋めれば、申請書は完成に近づきます。

工程4|AIに審査員役をやらせて自己添削する

下書きがそろったら、AIの役割を切り替えます。「あなたは審査員です。以下の申請書を読み、加点しにくい箇所と、根拠が弱い箇所を5つ指摘してください」と指示すると、書き手として気づけなかった穴が出てきます。

天神のサロン経営者の方と試したときは、「効果の説明が期待表現ばかりで、測る方法が書かれていない」という指摘が返り、導入後に予約件数を毎月記録する旨を書き足しました。AIを書き手と審査員の2役で使うだけで、一人で書いた書類より穴が減ります。

福岡の事業者からよくある相談と、私の答え

「AIで書いたと審査で分かってしまいませんか」とよく聞かれます。私の答えは、事実と数字が自社のものであれば問題にならない、です。むしろ危ないのは、AIが作った一般論をそのまま出すこと。自社の現場の言葉が一行も入っていない書類は、AIの有無に関係なく評価されません。

「文章が苦手で、AIへの指示も書けない」という相談も多くあります。文章が苦手な場合は、材料の棚卸しだけを箇条書きで済ませ、音声入力で困りごとを話した内容をそのままAIに渡してください。話し言葉のままで十分です。KOKORASHI AIでは、初期費用0円・月額4,800円(税込)からの支援の中で、指示文の型づくりからお手伝いしています。

提出したら終わりではない|採択後を見据えて書く

見落とされがちなのが、採択後の報告です。補助金は交付が決まった後も、実績報告や証拠書類の提出が続きます。申請書に書いた計画と、実際にやったことがずれていると、報告の段階で苦労します。

だからこそ、工程3の下書きでは「自社が本当にやりきれる範囲」で書くことを優先してください。AIは指示すればいくらでも壮大な計画を書けますが、実行するのは現場の人間です。私が福岡の事業者さんに毎回お願いしているのは、下書きが出そろった時点で現場の担当者に読んでもらい、「うちで本当にできるか」を一行ずつ確認する時間を30分だけ取ることです。

まとめ

  • 申請書は丸投げせず、公募要領の要点化・材料の棚卸し・下書き・自己添削の4工程に分ける
  • 数字と固有名詞は人が確定させ、足りない情報はAIに【要確認】と明記させる
  • 締切と対象経費は、AIの要約ではなく公募要領の原文で必ず確認する
  • 下書き後にAIを審査員役に切り替えると、一人で書くより穴が減る
  • 採択後の実績報告まで見据え、やりきれる範囲の計画を書く

よくある質問

Q. 補助金の申請書をAIに全部書かせても大丈夫ですか?
おすすめしません。AIは自社の売上や設備、取引先を知らないため、知らない部分をもっともらしい文章で埋めてしまいます。実在しない設備名が入った下書きを見たこともあります。数字と固有名詞は人が確定させ、AIには文章の組み立てと自己添削を任せる分担が安全です。

Q. 公募要領をAIに要約させれば、原文は読まなくていいですか?
締切と補助対象経費の2点は、必ず原文で確認してください。要約は「どこを読めばよいか」を早く見つけるための道具です。AIに要点表を作らせるときは、公募要領の何ページに書かれていたかを併記させると、原文との突き合わせが数分で済みます。

Q. 文章が苦手でAIへの指示文も書けません。どこから始めればいいですか?
指示文づくりより先に、材料の棚卸しから始めてください。困りごと、やりたいこと、手元の数字を箇条書きで並べるだけで十分です。書くのが苦手なら音声入力で話した内容をそのまま渡しても構いません。話し言葉の断片のほうが、整った文章より良い下書きが返ってきます。

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