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請求・入金の問い合わせをAIで減らす5つの手順|福岡の中小事業者が確認の電話に追われない仕組み

請求書の内訳や支払期日をめぐる問い合わせで経理の時間が消えていませんか。福岡の中小事業者向けに、質問の分類から書類の書き直し、AIによる一次対応までの5手順を解説します。

野村直矢

野村 直矢

KOKORASHI AI / 福岡のAI導入支援・LINE Bot開発

「請求書は送ったんですけど、入金の確認だけで毎月半日つぶれます」。福岡市内の小さな会社を回っていると、経理担当の方から必ずと言っていいほど聞く言葉です。結論から書きます。請求と入金まわりの手間は、AIに計算させるのではなく「問い合わせが起きる原因」をAIで整理すると減ります。会計ソフトを入れ替える話ではありません。今の仕組みのまま、今週から始められる手順を書きます。

請求・入金の問い合わせは、金額ではなく「不安」で起きる

私が福岡でAI導入支援をしているKOKORASHI AI(ココラシエーアイ)に届く経理まわりの相談を並べると、共通点が見えてきます。

  • 「振込が確認できないと、取引先に催促の電話をかけることになる」(南区・内装工事)
  • 「請求書の内訳が分かりにくいらしく、毎回同じ質問が来る」(中央区・デザイン事務所)
  • 「支払期日を過ぎてから気づくので、対応がいつも後手になる」(糟屋郡・運送)

3件とも、原因は金額の計算ではありません。相手が知りたい情報が、請求書やメールに書かれていないことが原因です。内訳が読み取れないから質問が来ます。支払期日と振込先が分かりにくいから確認の電話が来ます。計算自体は会計ソフトが正しくやっています。増えているのは、計算の前後にある「説明」と「確認」の仕事です。

手順1:直近3か月の問い合わせを書き出す

最初にやるのは、AIを使う作業ではありません。電話とメールで実際に来た質問を、直近3か月分だけ書き出します。件数は多くて構いません。20件も集まれば傾向が見えます。

書き出すときは、要約せず、相手が使った言葉のまま残してください。「内訳を教えてください」なのか「何の分の請求か分からない」なのかで、直すべき場所が変わります。私は紙のメモでもスプレッドシートでも構わないとお伝えしています。粗くても、実物の言葉が残っていることが大切です。

手順2:AIに分類させて、上位3つを特定する

集めた質問を生成AIに貼り付けて、次のように指示します。

  • 「以下は当社の請求・入金に関する問い合わせです。内容が近いものをまとめて、件数の多い順に分類してください」
  • 「各分類について、質問が起きた原因の候補を挙げてください」
  • 「原因を取り除くために、請求書やメールの記載のうち、直すべき箇所を提案してください」

私が立ち会った現場では、上位3つで問い合わせ全体の半分以上を占める例がほとんどでした。全部に対応しようとせず、上位3つだけ潰す判断が効きます。AIの提案は、あくまで案として扱ってください。実務を知っているのは担当者です。採用するかの判断は人が行います。

手順3:請求書とメール文面を書き直す

特定した原因に合わせて、書類の記載を直します。効果が出やすいのは次の4か所です。

  • 件名に案件名と対象月を入れる:「【ご請求】9月分・○○邸 内装工事」のように、開かなくても中身が分かる形にする
  • 本文の冒頭に支払期日と金額を書く:添付ファイルを開かないと分からない状態をやめる
  • 内訳の書き方をそろえる:作業名だけでなく、数量と単価を分けて書く
  • 連絡先を1行入れる:質問の宛先が分かれば、社長の携帯に直接かかってくる件数が減ります

文面の下書きはAIで作れます。ただし、AIが作った文章を手直しせずに送らないでください。取引先ごとの温度感は担当者にしか分かりません。私は「AIに3案出させて、担当者が1案選んで手を入れる」進め方をおすすめしています。

手順4:確認の一次対応をAIに任せる

書類を直しても、問い合わせがゼロにはなりません。残った分は受け方を変えます。LINE公式アカウントやWebサイトのチャットで、次のような一次対応をAIに任せます。

  • 振込先の口座情報と支払期日の案内
  • 請求書の再送を依頼する窓口の案内
  • 担当者に取り次ぐべき内容かの振り分け

金額の照会や入金の確認自体は、AIに答えさせないでください。個別の金銭情報を扱う応答は、間違えたときの損害が大きすぎます。私が線を引くのは「誰に聞いても同じ答えになる内容だけAIに任せる」という基準です。基準を先に決めておけば、社内でも説明しやすくなります。

春日市の設備会社さんでは、支払期日と振込先の案内をLINEの自動応答に置き、担当者への取り次ぎだけ人が対応する形に変えました。夜間や土日にかかってきていた電話が、翌営業日に整理された状態で確認できるようになったと聞いています。仕組みとしては、初期費用0円・月額4,800円(税込)から始められる範囲です。

手順5:件数を記録して、続けるか判断する

改善したつもりで終わらせないために、記録を残します。私がお願いしているのは2つだけです。

  • 月ごとの問い合わせ件数:分類ごとに数える。手書きの正の字で構いません
  • 対応にかかった時間の体感:担当者に月末へ一言書いてもらう

3か月分並べると、減ったのか変わらないのかが数字で見えます。減っていなければ、直した場所が原因ではなかったという判断ができます。件数を数えていない改善は、成果を説明できません。翌年の予算や人員の話をするときに、記録の有無が効いてきます。

やってはいけない3つのこと

  • 会計データを丸ごとAIに貼り付ける:取引先名や金額を含むデータの扱いは、利用しているサービスの規約と社内ルールに従ってください。分析させたい場合も、社名や個人名を伏せた形で渡すのが基本です
  • 入金の消し込みをAIに判断させる:金銭の照合は会計ソフトと人の確認で行います。AIの役割は説明文と一次対応です
  • 全部を一度に変える:請求書のフォーマットと運用と受け皿を同時に変えると、うまくいかなかったときに原因が分かりません。1か月に1か所ずつが現実的です

まとめ

  • 請求・入金の問い合わせは、計算ではなく「書かれていない情報」から起きる
  • 直近3か月の質問を相手の言葉のまま集め、AIに分類させて上位3つを特定する
  • 件名・支払期日・内訳・連絡先の4か所を直すと、質問の量が変わる
  • 誰に聞いても同じ答えになる内容だけをAIの一次対応に任せる
  • 件数を記録し、3か月並べて続けるか判断する

よくある質問

Q. 会計ソフトを入れ替えないと始められませんか?
入れ替えは不要です。今回の手順は、請求書やメールの記載と問い合わせの受け方を変える話で、計算の仕組みには触れません。使っている会計ソフトは継続して使い、説明と一次対応の部分だけを改善します。

Q. 取引先の名前や金額をAIに入力しても大丈夫ですか?
利用しているサービスの規約と社内ルールに従ってください。分類や文面の作成を頼む場合も、社名や個人名を伏せた形で渡すのが基本です。金額の照合や入金の消し込みは、会計ソフトと人の確認で行ってください。

Q. 効果があったかは、何を見て判断しますか?
月ごとの問い合わせ件数を分類ごとに数え、3か月分を並べてください。減っていれば直した場所が正しかった証拠になり、変わらなければ原因が別にあったと判断できます。件数を数えていない改善は、社内で成果を説明できません。

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