心の羅針盤 相談室
やりたいことが分かりません。どう見つければいいですか
やりたいことは、探して見つかるものではなく、動いた跡に残るものです。
いただいた相談
就職活動が始まったのに、やりたいことが何も思い浮かびません。周りの友人は志望業界を決めていて、自分だけ取り残されている気がします。好きなことを仕事にしろと言われますが、そもそも好きなことが分かりません。何から始めればいいですか。
回答
やりたいことは、座って考えて見つかるものではありません。動いた跡に残るものです。「好きなことを見つけてから動く」という順番だと、永久に始まりません。先に動いて、後から「意外と苦にならなかったもの」を拾っていきます。
私自身、20歳から石油掘削船のエンジニアとして世界18カ国で働きました。最初から情熱があったわけではありません。感電事故をきっかけに働き方を変え、独立してSNSマーケティング、DX、NFT、そしてAI事業へと移ってきました。振り返って線になっただけで、最初に地図があったわけではないというのが正直なところです。
とはいえ、当てもなく動くのは効率が悪いので、手がかりを2つ渡します。
1つめは、自分の強みを外部の道具で測ることです。ストレングス・ファインダーのような資質診断は、自分では当たり前すぎて気づかない特性を言葉にしてくれます。「組織力」が高いならプロジェクトの進行役、「創造性」が高いなら作る側、といった具合に、向いている場所の見当がつきます。自己分析を頭の中だけでやると、自分の思い込みの外に出られません。
2つめは、報酬とやりがいの4つの組み合わせで、今の選択肢を並べてみることです。「やりがいがなくて報酬が低い」「やりがいはないが報酬が高い」「やりがいはあるが報酬が低い」「やりがいも報酬も高い」の4つです。志望先を並べると、自分がどこを避けたいのかが先に見えます。やりたいことが分からない人でも、避けたいことは分かります。 消していけば残ります。
そして大事な前提を1つ。やりがいのある仕事を選ぶ自由は、経済的な自立から生まれます。貯蓄がある人は、給料が低くてもやりがいのある仕事を選べます。貯蓄がない人は、給料の高さだけで選ばざるを得ません。「やりたいことを仕事にする」という話は、金銭管理の話と地続きです。順番を逆にしないでください。
最後に。どんなに好きなことでも、必要とする人がいなければ仕事にはなりません。20年山にこもって壺を作っても、壺を求める人がいなければ価値は生まれません。自分の情熱と、世の中が求めているものが重なる場所を探します。情熱だけを見ると生活が続かず、市場だけを見ると気持ちが続きません。
今日やること:避けたい働き方を3つ書く
やりたいことではなく、「絶対に嫌な働き方」を3つ書き出してください。通勤時間、人と話す量、成果の測られ方など、具体的なほど役に立ちます。書き終えたら、今の志望先リストと照らして、条件に触れているものに印を付けます。やりたいことは分からなくても、選択肢は絞れます。
※ 相談文は、繰り返しいただく相談を一本にまとめたものです。特定の個人の投稿ではありません。
もとになった章
第4章 真の社会貢献 / 第5章 エゴイズムとマーケット
心の羅針盤
10代から知りたかった幸せに生きる思考術
自立・人間関係・社会貢献の幸福の3ステップと、エゴイズムとマーケットのバランスを、書籍内ワークを交えて解説しています。
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